アニメ映画「魔女の宅急便」の完全版が、2018年の1月5日の「金曜ロードSHOW!」で放送されたのですが、実はこの作品には原作があり、映画となって出ているのは原作の1部です。
原作の大筋はそのままだけど、かなり現代に沿ったアレンジがされています。
そしてこの魔女の宅急便には、見どころにもなる4つの秘密が隠されているというのです!
ここではそんな「魔女の宅急便」について、見どころやあらすじとストーリーに隠れている4つの秘密についてまとめてみました。
Contents
魔女の宅急便について
あらすじ
魔女の子は、13歳になると一人前の魔女になるために1年間の修行に出なければなりません。
主人公のキキも、黒猫ジジを連れて父母のもとを旅立ち、海辺の町コリコを修行の場に選びました。
キキは、親切なパン屋のおかみ・おソノさんのすすめで、唯一使える魔法である、ホウキで空を飛ぶ能力を活かして「お届け屋さん」の仕事を始めます。
日々の「お届け屋さん」仕事に励む中で、女子画学生のウルスラや、空を飛ぶことを夢見る少年トンボと友達になり、少しずつ町での生活に慣れていくキキ。
ところが、熱を出して仕事を休んだ翌日、キキは自分の空を飛ぶ能力が弱まっていることに気づきます。
そんなキキが、思い悩みながら仕事を続けていく姿がアニメ版のあらすじになっています。
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アニメの声優たち
- キキ(声優:高山みなみ)
- ジジ(声優:佐久間レイ)
- コキリ(声優:信沢三恵子)
- オキノ(声優:三浦浩一)
- おソノ(声優:戸田恵子)
- フクオ(声優:山寺宏一)
- トンボ(声優:山口勝平)
- 老婦人(声優:加藤治子)
魔女の宅急便の見どころと4つの秘密
夢や理想と現実的や仕事の関係
キキは、明るい未来に期待して旅立っていくのですが、その理想に反するような「現実的な問題」や「仕事」も、劇中ではたくさん登場しています。
たとえば、キキがラジオの天気予報を聞いて、今夜すぐに旅立つことを決めた時、お父さんはこの後すぐに近所の人たちに「今夜キキが発つことになりまして」と電話をするシーンが映ります。
せっかく借りてきたキャンプ道具がムダになってしまうことだけではなく、大人の事情など顧みない”キキの幼さが表れているシーンです。
また、街に着いキキは「第一印象が大事よ!」と街の人たちの前で笑顔を見せようとしますが、あわや交通事故を起こしてしまいそうになり、「魔女でも交通規則は守らねばいかん!」と警官から怒られてしまうシーン。
ホテルのフロントでは保護者はいないのかと聞かれ、身分証の提示を求められてしまうシーン。
現実逃避で、どこか知らないところに言ってしまいたいっていう願望は、大人でも良くわかります。
でも現実的に交通規則は年齢とは関係なく守らなくちゃいけないルールでしょうし、13歳で一人でホテルに泊まるには、たぶん日本では保護者同伴じゃないと難しいはずだし、最低でも保護者の同意は必要なはず。
13歳といえば一番好奇心が旺盛で、体もそこそこ大人と同じくらいの大きさには成長してはいるけれど、社会的には「子供」としか思われない現実がまじまじと描かれているシーンでした。
魔法は才能そのもののことだった!
魔女の宅急便のストーリーは「魔が使える女の子」がテーマになっていますが、宮崎駿監督は、魔法についての定義を以下のように語っていらっしゃいます。
「この映画の魔法を、いわゆる魔法ものの伝統から切り離して、キキの持っているある種の才能というふうに限定して考えました」
引用:http://news.nicovideo.jp/watch/nw3192676
魔女の宅急便のストーリーの中のキキは、魔女とは言え、「空を飛ぶこと」と「黒猫のジジと話すこと」にしか使えません。
キキは自分が使える魔法を、誰かの役に立つための唯一の才能(特技)だと思っていました。
そのために、占いができる先輩の魔女に対してうらやましいと思っていて、様々なシーンにそのことを言葉として散りばめてあります。
例えば、お届け物屋さんの仕事をする時の
「私、飛ぶしか能がないでしょ。お届け屋さんはどうかなって」
って言うセリフだったり、
「魔法がなくなったら、何の取り柄もなくなっちゃう」
っていうセリフです。
この作品の中では魔法=才能であって、仕事に直結するものではあるけれど、だからといって一瞬でうまくいくわけではなく、キキもはじめてすぐは失敗ばかりでした。
人が成功しているのを見ると、どうしても「才能」の部分にだけフォーカスしてしまうのですが、それを現実で使えるようにするためのプロセスや努力の部分は見逃してしまっています。
離れたところで見ていると、いとも簡単に成功したようにみえてしまうけど、人が見た時の成功までの道のりは、本人にしかわからない努力の積み重ねがあって初めて才能を魔法に変えていくことができるんだよ、というメッセージが隠れている部分です。
また、「これしか取り柄がない」と思っている部分は、人から見ると、とっても羨ましい部分でもあります。
また、キキが、おばあさんの家の薪のオーブンでパイを焼くことを手伝っているときに、「お母さまのお仕込みがいいのね」と段取りの良さを褒められるシーンがあります。
サラリと見てしまうと何も感じないシーンだし、才能というよりも、その人生で培った「経験」が役に立ったシーンなんだけど、自分で出来てる当たり前、がとってもステキなことだった、みたいなことを教えてくれるシーンでもありました。
見た目を気にする必要なんかない!?
キキは思春期の女の子らしく、見た目を気にする女の子としても、描かれています。
出発前の鏡に映った自分の姿を見て「黒猫に黒服で真っ黒黒だわ」とガッカリしているシーンや、楽しく話をしている女の子たちとすれ違ったときにも「もっとステキな服ならよかった」とつぶやいていたり。
また、雨の中パン屋に戻ってきた時も「こんななりじゃ・・・」と、パーティには行きませんでした。
ところが、キキの周りの人の反応は正反対で、「黒は女を美しく見せるのよ」とパーティに招待されたキキに助言しています。
キキのお母さんが「昔から魔女の服はこう決まっているのよ」と言っていて、現実的に、黒い服がいいのかどうかはここでは別にして、このストーリーの中ではキキが着ている黒服は魔女の制服のようなもの。
13歳の頃って、ほとんどが制服に身をまとっている年頃で制服の気に入る気に入らないで高校を選びたくなってしまうくらい大切な見た目だけど、大人になった時にそんなことはちっとも重要じゃなかったことに気がつくし、そんなことすら忘れてしまっています。
職業やその時のライフスタイルによって、自分の中身が変わっていくと同時に見た目も内側から変わっていきます。
見た目は中身を表わす大切なものだけど、見た目よりも大切なのは中身だって言うことを教えてくれるシーンでした。
魔女の宅急便の見所
キキが魔法の力を失った理由
魔女の宅急便の一番の見所は、キキが魔法のチカラを失うシーン。
これは、嫉妬という感情によって一時的に消えてしまったものでした。
人間である以上、嫉妬したり怒ったりするのは当然の感情で、それをなくしてしまっては個性も人間味もなくなってしまうと思っています。
ただその感情を外に向けるとエネルギーを消耗しすぎたり、欲のために使おうとすると使えなくなます。
キキが、空を飛ぶ才能が蘇ったのは、トンボがピンチに陥ったときでした。
欲や見栄ではない、純粋に一生懸命になったときに、再びパワーが増大して蘇ったキキの魔法からは、私達のスランプを抜けた後に蘇る才能を表しているよ、と勇気をもらえるシーンでもありました。
原作はファンタジーでいっぱい
魔女の宅急便の原作には、現実的なことは殆ど表現されておらず、とってもファンタジーな物語として、とっても評価が高いです。
現実がちょっとつらいな、と思った時に読んでみると、夢と現実を上手につなぐことができるのかもしれませんね!
現在年長の娘に、寝る前に読み聞かせていました。
もともと映画が大好きで、何十回もみてセリフも全て覚えている娘ですが、本ではかなり設定が違っています。
お話も長く、年長さんには難しいかな、と思いましたが、全然大丈夫でした。毎晩、とても楽しみに聞いていて、「今日も読んで!」と真っ先に持ってきていました。
13歳の魔女のキキが、ひとり立ちして、知らない街でいろんなことを乗り越えていくお話。生まれた時から一緒に育った、黒猫のジジと一緒に。
キキのかあさんの気持ちも、痛いほど伝わってきて、最終章では泣きそうになりながら読み聞かせました。
映画にはないシーンですが、1年が経ち、里帰りする場面も描かれていて、そこがとっても好きです。さわやかな読後感で、勇気をもらえる本でした。
大人が読んでも面白いです。娘もラストまで、とても良い表情で聞いていました。6巻まで、ぜひ読みたいと思います。(solicaさん 30代・北海道 女の子5歳、女の子2歳)
引用:アマゾンレビュー(魔女の宅急便 (福音館文庫 物語)
実写版の魔女の宅急便は映像がきれい!
実写版の魔女の宅急便は、アニメとはまたちょっと違っているけど、映像がとっても綺麗です。
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まとめ
ここでは、魔女の宅急便について、あらすじや見どころと、ストーリーに隠されている4つの秘密についてまとめてみました。
- 夢や理想と現実的や仕事の関係
- 魔法は才能そのもののことだった!
- 見た目を気にする必要なんかない!?
- キキが魔法の力を失った理由
ジブリ映画にはかなりメッセージが込められていることで有名ですが、この「魔女の宅急便」にも、4つの秘密、というか、4つの大きなメッセージが隠されていたのでした。
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